モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
意地悪はいけません
高校の最寄り駅の周辺には商店街があり、あたしもよく通っている。
「あーあ。桃にもついに彼氏かぁー」
「あのね、まだわかんないからね?」
学校を出たあと、葉月と愛ちゃんとファストフード店に入り、窓際の席から外をチェックしていた。
明らかに口角が上がってる葉月は更に笑顔になり、それが可愛くて憎めない。
いつも一緒にいる6人グループの中で彼氏がいないのはあたしと葉月と愛ちゃんともう1人だけで、なんとなく誰が先を越すか競ってる。
あたしだってもう高校生。
引っ越す前のちんちくりん中学生のときとはわけが違うのだ。
きっと、ひーくんもあたしの魅力に気づいて、うっとりしてキスしちゃったんだろうなぁ。
「ちょっとー!誰かさんの顔ニヤけてるんだけど。気持ち悪ーい」
ニヤけるあたしの頬を突きながら怪訝な顔をする葉月。
あのひーくんと付き合えるって考えるだけで顔がニヤけてしまう。
完全に重症だ。