モテすぎる先輩の溺甘♡注意報




「あれ?どうってことないんじゃなかったの?」


「……っ」




すると、ひーくんは声を出しながら笑いはじめ、その笑いが少し落ち着くとニヤリとしながらあたしの顔を見つめてきた。




「あー、やべぇな……。桃のその困り顔超好き。萌えるな」




ついでに髪の毛先を少しだけ取って指先でくるんとされた。



……やっぱり、ひーくんって頭おかしいのかもしれない。



彼女の困り顔が好きなんておかしくない?!

しかも萌えるって!

普通は萌えないでしょ!




………それからというもの、ひーくんのことを呼び捨てにしなくてもやり直しさせられたり他に報酬を要求されたりすることはなかった。



結局、ひーくんの目的は報酬を貰えるかどうかではなくて、あたしの困り顔を見るためだったのだとファミレスを出てからあたしは気付いた。



ひーくんは普通の人ではないから、これから先付き合っていくあたしはもしかしたら色んな意味で大変なのかもしれないと思うと………少し気合いを入れたくなった。




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