モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「桃(もも)も行こ! 目の保養しに行かなきゃ!」
行動が早いみんなはあたしが携帯をいじってるうちにさっさと教室を突破していて、ただ1人………身長148cmのちっちゃい愛(あい)ちゃんだけが待っていてくれた。
愛ちゃんとみんなの後を追って隣の教室に向かうと、すでに大勢の女の子たちが教室の前に群がっていた。
「イケメンくんいたー?」
「2人もやっと来たー! ほら、あれあれ! 窓側に3人でいるじゃん」
先に行ってた友達を見つけ、間から顔を出し言われるがままに窓側を見ると……確かに、顔が整った男の子が友達2人と話をしている。
女の子たちが来ているのを分かっているのか、友達がからかうようにその男の子の肩を叩いた。
当の本人は恥ずかしがってあまりこっちを見てくれない。
すると、さすがに教室に居づらくなったのか男の子は立ち上がり……友達2人とあたしたちがいる教室の入り口に向かって来た。
「やば!こっち来る!」
「どうするどうする⁈」
先頭を陣取っているあたしたちはどうアピールするかをこの一瞬のうちに考えた。
とりあえず男の子たちが通れるようにスペースを作り、そして……徐々に距離が縮まってきた。
……その時だった。