モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「えっ?桃ちゃんっ?!」
「なんだよ、この会ってない数日の間にそんな甘えん坊になったのか?」
「……ひーくん、好き」
「あー……そうくるか。うん、いくらでも愛の告白聞いてやる。だからとりあえず場所変えよ」
「へ?」
………あ………。
塾帰りの生徒や歩道を歩く人があたしたちを凝視していた。
入り口の目の前で抱きついて注目されないわけがない。
女の子たちは何故かキャーキャー騒いでいている。
英二くんの顔も真っ赤で、それがあたしにもだんだんと移ってきて……我に返った。
「ご、ごめんなさいっ」
自分から抱きつきに行ったくせに、あたしは勢いよくひーくんから離れてひーくんの腕を引っ張ってその場を離れた。
なんでなんでっ……あたしなんでこんな恥ずかしいことやっちゃってんのっ……。
顔から火が吹きそうなほど熱くなってて、背中には冷や汗が流れた気がした。