モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
あたしの言葉にムスッとした表情をするひーくん。
さっき日菜子から色々聞いちゃったもんだから、ひーくんの反応が全部可愛く見えて仕方が無い。
「だってひーくんは塾とバイトで忙しいんだから、バイト辞めたって暇だもん」
普段いじめられる側だから、たまにはいじめる側になりたくもなる。
「あぁ、会えなくて寂しいから、バイトで寂しさを紛らわしてるってことな?」
しかし、すぐさま反撃された。
「そっ、んなこと言ってませんけど?」
「でもそう言ってるように聞こえたけど?ん?違うの?俺は、寂しいよ……」
ひーくんは子犬のような瞳であたしを見つめてきて、最終攻撃を仕掛けてきた。
こんな技まで持ってるの?!
何この母性本能をくすぐるような顔!!
根っから腹黒な彼に軽い気持ちで挑んだあたしがいけなかった。
勝算なんか初めからなかったんだ。
「……負けました」
「結局どっちなんだよ」
「寂しいです」
「よろしい」