モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
………そして、これからが地獄の始まりだった。
「でも大学受験するなんてすごいよねー。いつもあんななのに、そういうところは真面目ってギャップだよねーいいよねー」
「あ、はい……」
「確かに1年の頃から言ってたんだよね!」
「そうなんですね……」
「知り合いに建築士の人がいるらしくて、ずっと憧れてるとも言ってたなぁ」
建築士……?
一体何の話?
もちろんひーくんが高校1年生の時を知るはずもないあたしが、そんな目標の話なんか知るはずもない。
「あっ……、もしかして、今の話陽から聞いてなかった?」
「はい……」
「そっかぁそうだったんだぁ、ごめんね?そしたら、陽が建築士になりたいって夢があるのも知らないんだ?」
ええ。もちろん知りませんとも。
今初めて聞きましたとも。