モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
今日は友達と一緒じゃないのか、ひーくんは1人で出てきた。
手を振るあたしに気付いたひーくんは………眉間にしわを寄せ、不機嫌そうな顔をした。
もしかして……突然来たから迷惑だった?
「何でいんの?」
表情だけじゃない……声も低い。
「あ、あのね、ひーくんに受験頑張ってもらおうと思ってプレゼント買ったの!」
あたしはラッピングをした本をひーくんへ渡した。
怒っていたひーくんの目は丸く見開き、驚いた様子だった。
そのあと、プレゼントを見ながら優しく笑った。
……よかった。
いつものひーくんだ。
「開けてみて!」
安心したあたしは早く本を見てほしくて、開けるのを急かした。