モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「え、マジ?これ欲しかったやつ」
「ふふっ、喜んでくれた?」
「ありがとな。でも、お前にこの本欲しいって話したっけ?」
「ううん、実はね……」
あたしはその後、「悠里さんに教えてもらったんだ」と正直に言うつもりだった。
でもそう言えなかったのは………言葉を遮られたから。
「それ、あたしが選んだんだよー!」
ひーくんの後ろから現れたのは………悠里さん。
ひーくんの隣にピッタリくっつくと、本を取って中をペラペラと見始めた。
「この前この本が欲しいって言ってたでしょ?それで本屋に用事があった時にこの本を見つけたのね?だから陽にプレゼントしようと思ったんだけど、」
え?何の話?
「その時に偶然、桃ちゃんに会って、彼女だし一応言った方がいいかな?って思って陽にプレゼントしようと思ってるって話したのー」
そんな話一切知らない………。
「そしたら、あたしもプレゼント探してて見つからないのでこの本譲ってください!って言われちゃってー」
何でこんな嘘つくの?
「結構強引に来るもんだから、しょうがなく桃ちゃんに譲ったんだよねー。しかも、自分で選んだことにするからこの事は秘密でとか言われちゃってさー」