モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「本宮先輩!」
「おはよう。えーっと、葉月ちゃんだったっけ?」
「はい!桃がいつもお世話になってます」
「こちらこそ、うちの桃がお世話になってるみたいで、ありがとう」
いきなり現れたひーくんは、あたしの髪の毛を指にくるくると巻いて遊びながら、葉月へ丁寧な挨拶をした。
「この後って、なんかあんの?」
あたしの髪をくるくる巻きながらそう聞いてきたひーくん。
「夏休みの宿題一斉に集めるって言ってたっけ?それくらい?」
「じゃないかなぁー?特には言ってませんでしたよ!」
「じゃあ、桃借りてくね」
「えっ⁈」
気付いたら髪を巻いていた指は外れていて、今度は両脇を抱えられ、あたしは強制的に立たされた。
どこ行くの⁈
その一言を言う間も無く、あたしは教室から連れ去られた。
教室を出るときに、葉月の「ごゆっくりー!」と呑気な声が聞こえてきて、心の中で「止めないのかよ!」とつっこんだ。