モテすぎる先輩の溺甘♡注意報




手首を掴んでいた手は自然と手のひらに移動して、いつの間にかあたしとひーくんは手を繋いでいた。



ひーくんがあたしを引っ張るように先へと歩く。



その最中、あたしはどこへ行くのか分からないドキドキと、さっき葉月と話していたことが聞かれてたことへのドキドキで気持ちが入り乱れていた。




「ねえ、どこ行くの?」


「秘密基地」



ひーくんはそう答えて、不敵な笑みを浮かべた。



この人の口から出る言葉は全て怪しく聞こえてしまうのはあたしだけ?



小学生じゃあるまいし、学校の中に何で秘密基地があるのか謎でしかない。



それでも言われる通りついて行くのは、久々に会えた嬉しさからだと思う。



最後に会ったのは夏期講習のラストスパートに入る前だから、10日ぶりくらいだ。



手を繋ぐことも滅多にないから、すごくドキドキしてどうにかなってしまいそう。



触れてる右手に全体温が集まっているような気がして、手汗をかいてないか心配でしょうがない。





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