モテすぎる先輩の溺甘♡注意報




さっき、葉月には放置プレイだの鬼だの言いたい放題だったけど、会わなかった間にひーくんへの想いは募るばかりで、結果どんどん好きになってしまったってことだ。



そりゃあ寂しかったし、出来ることならもっと会いたかったし、思い出作りもしたかったけど………。



結局のところ、放置をされようがいじめられようが、あたしのひーくんへの想いは膨らむことしかない、ということだ。




「着いた」



そう言われて入った場所は美術室で、道具が散乱していて暗い雰囲気からすると、どうも使われていないみたい。



1階の端に位置していて、こんな場所にこんな教室があったのかと初めて知った。



その教室の鍵を何でひーくんが持っているのかは知らないけど、前科がたくさんあるようなので敢えてそこには触れないでおこうと思う。



誰が描いたのか分からない描き途中であろう絵が無造作に置かれている。




「これ、なんの絵だろうね?」



無言が続く空気に耐えきれなくなり、特に気になるわけじゃないけどとりあえず思ったことを口にした。




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