モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「もも、こっちおいで」
そんなあたしのどうでもいい問いを無視して、ひーくんはあたしを呼ぶ。
振り返ると、両手を広げたひーくんが後ろで待っていた。
はたから見れば、まるで飼い犬を呼ぶご主人様のよう。
それでもあたしは構わない。
犬でもいい。
ひーくんの胸に飛び込めるなら。
何の迷いもなく、思いっきり飛び込んで抱きついた。
それに応えるようにひーくんの腕があたしの肩から背中に周り、あたしたちは10日ぶりに抱擁した。
「怒ってない?さっきのこと」
「鬼畜ってやつ?」
「うん」
「怒ってねぇよ。だって本当のことじゃん」