モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
さすがに怒りを抑えきれず、ひーくんを突き飛ばして机から飛び降り、あたしは逃げるように出口へと走った。
今までの女の子たちはひーくんがしたい時にしたいように言いなりになってくれてたのかもしれない。
けど、あたしは違う。
ちゃんとお付き合いして、”彼女”になったんだから、これまでのようにやりたい放題になんてさせるもんか!
それに、普通彼女の前で他の女の子とどうこうしてたなんて話する⁈
怒らせようとしてるとしか思えない。
ひーくんへの怒りを頭の中で燃やしながら、勢いよく扉を開けた。
「うわぁっ‼︎」
「おおっ」
扉を開けてすぐそこには人がいて、飛び出たあたしは勢いよくその人に体当たりしてしまった。
あたしの勢いに押されその人は数歩後ろへ下り、バランスを崩したあたしは抱きつく形になった。
「ごめんなさいっ!……って、英二くん⁈」
てっきり知らない人だと思っていたあたしは自分の行動が恥ずかしすぎて瞬時に謝った。