モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
俺から逃げるように走り出した桃を柄にもなく追いかけた。
桃をいじめるのは好きだし、困った顔を見るのも好きだし、涙目になってたら最高にキュンキュンするけど………傷つけたいわけじゃない。
普通の恋愛をするためのリハビリ期間中の俺は、こうやって桃が意思表示してくれないと気持ちにすら気づくことができない。
それでも、その度に桃と向き合っていきたいと思ってる。
………桃に飽きられなきゃの話だけどな。
桃の甲高い声を聞き、小走りで向かった教室の外での光景に、俺は目を疑った。
英二に抱きつく桃。
「ひ、陽っ⁈こ、ここ、これは、違うんだぞ⁈」
あからさまに焦る英二。
ただただ呆れた。