モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
絢さんを助けようとしてることはあたしにとっても嬉しいこと。
早くストーカーの犯人が捕まってくれれば絢さんも少しは安心して生活ができるはず。
そのためには、今はなるべく1人でいない方がいい。
「明日のコンテストは出るの?」
この話を続けているとあたしの気持ちが揺らぎそうだったから他の話題へと変えた。
元はと言えばあたしがお願いしたことなんだから、ひーくんと絢さんのことを信じるしかない。
マイナスな方へ考え出すと嫌なことばっかり考えてしまいそうだから、自分で歯止めをかけた。
「もうキャンセルできねぇから出るしかないだろ」
「そうだよねっ、それに温泉旅行も行きたいなぁ」
この場の空気を変えようとわざとテンションを上げてみるけど、ひーくんの表情は変わらず。
高校生最初の文化祭がまさかこんなに嫌な空気で終わるとは思ってもみなかった。