モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「絢が今日から泊まるみたいだけど、なんかお邪魔しちゃってごめんね?」
「あ、いえ、大丈夫ですよ」
「ふーん、結構嫉妬とかしないタイプなの?」
初対面なのに眉ピ男(眉毛にピアスをつけてる男の略)は馴れ馴れしく話しかけてくる。
「そういうわけじゃないんですけど、絢さんは妹なんで嫉妬することはないです」
自分で言っててこれが本心なのかは定かではないけど、絢さんを目の前にしたらこう強がるしかなかった。
そんなあたしの唯一の防御に対して手を叩きながら大爆笑し始める男2人。
え?
今のどこがそんなにおもしろかった?
メイド喫茶という設定すらもどこへ消えてしまったのか、どうでもよくなって2日目にしてここまで崩れている。
絢さんも2人と一緒に笑うあたり、これはただメイド喫茶を楽しみにわざわざあたしのクラスまで来たんではないだろうなと確信した。
最初からあたしのことは嫌いだと知っていたけど、昨日の泊まることが決まったあたりから少しは打ち解けてくれたのかと思っていた。
………が、そういうわけではないらしい。
よっぽどひーくんの近くに他人の女がいるのが許せないのか、血が繋がってはいないものの一応の妹の行動にしてはやり過ぎてるような気がする。