モテすぎる先輩の溺甘♡注意報



絢さんはあたしとひーくんをどうしても別れさせたいんだと思う。


母親にも見離され、他に頼る人が信頼できる人がいない生活を送ってきた彼女にとって、ひーくんがどれだけ大きい存在なのか……嫌でもわかる。



それでもあたしはひーくんを手放したくない。



小さい頃出会って、初めて恋をした人。

数年会わなくても……傷つけられても……嫌いになれなかった人。



こうして無視されている今でもきらいになれない。

考えると胸の奥が締め付けられるくらい、好き。




「とにかくその絢って人はかなりやっかいだけど、そんなやつのせいで別れちゃったら元も子もないよ?とりあえず、本宮先輩とちゃんと話した方がいい」


「絢さんにストーカーは嘘だって言われたって?昨日あたしが信じてって言ったのに、今更そんなこと……」


「昨日は過去でしょ。過去に言ったこと後悔してもしょうがないじゃん。大事なのはこれからなんだから、ちゃんと自分が悪いことしたと思ったんなら謝る!」



日菜子はあたしの両手を掴み、力をギュッと入れた。

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