モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
誰か特定の女とエッチ以外のことをしたいって思ったこと1度もねぇから正直困る。
お互いに求めてる性欲を満たせるから一緒に過ごすだけ。
それ以上に「女」に求めてるものは何もない。
……って、相当捻くれてるな。
まあ、今に始まったことじゃないしどうしようもない。
駅に着き、大学生の女が改札を通るまで見送った。
……すると、こっちに向かってくる人混みの中に桃がいるのが分かって、目があった。
なんだ。
あいつどっか出掛けてたのか。
「どっか行ってたの?」
「え?うん。友達と買い物行ってた」
「傘は?」
「傘?え、もしかして雨降ってるの?!」
さっきまで駅直結のショッピングセンターで遊んでいて外に出てないから、雨が降ってることを知らなかったらしい。
「家は?前のまんま?」
「そうだけど……ま、まさかっ、傘入れてくれるの?!」
「あぁ、いーよ?その代わり貸し1な」
「え……」
桃の表情はいきなり暗くなり、何かを考えてるようだった。
あー……、懐かしいな。
この困ってる感じ。
それが見たくて何かにつけて「貸し」にしてたっけな。
なのに従順だから文句も言わず承諾して、いつも俺の理不尽な言うことを聞いちゃうのが桃だ。