モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
〜ラスト注意報〜
一方通行の好き
ミスターコンテストに出てるはずのひーくん。
本当は応援するはずだったけど、それはもう叶わない。
「告白タイムなんて桃いないのにどうしてるんだろうね?パスできるのかな?」
「どうなんだろ……」
コンテストのことを忘れるほどさっきまで余裕がなかった。
あれほど出て欲しいと懇願していたコンテストだけど、優勝して旅行チケットが貰えたとしても今のひーくんとあたしの状態じゃ行けるわけがない。
「まあ、今の桃が行ってもしょうがないから、あたしが体育館に様子見に行ってこようか?」
「あ、ほんとに?ごめん。そうしてくれると助かる……」
「じゃあ300円いただきまーす!」
「お金とるんかーい!」
突然の日菜子のボケに反射的にツッコむあたし。
いつものような空気に戻ったのを感じ、日菜子もそれは同じだったようで……2人で目を合わせて笑った。
「笑顔が見れたからよしとするかぁ!では、偵察に行って参る!」
おでこに手を当てて敬礼をしたあと、日菜子は保健室を小走りで後にした。