モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
誰かと思って閉まってるカーテンの隙間から入口の方を見てみると、そこには息を荒げた英二くんが肩を上下に揺らしながら立っていた。
英二くん⁈
なんでここに⁈
今すぐ出て行きたいけど、こんな顔じゃ出るにも出られない。
「桃ちゃん⁈大丈夫⁈」
そんなあたしの気持ちを英二くんはつゆ知らず、唯一閉まってるカーテンをこれまた勢いよく開けられた。
「英二くん⁈ど、どうしたの?」
「どうしたもなにも、桃ちゃんの友達が桃ちゃんが倒れたっていうから心配になって吹っ飛んできたんだよ」
倒れたって嘘ついたの葉月な気がする。
「友達が大袈裟に言っただけだよー。朝ごはん食べてなくてちょっとフラフラしただけだから大丈夫だよ」
昨日の今日であたしが倒れたって聞いたから英二くんはこんなに急いで来てくれたんだと思う。
嬉しい反面、それがひーくんだったからよかったのに……と思ってしまう。
あたし、最低だ。