モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
桃も何回かばあちゃんちには来たことがあって、たまに桃の話をすることもある。
「おばあちゃん、元気?」
「今は、元気だよ。一昨年に倒れて大変だったけど、良くなってきてる」
「そうだったんだ。なんか……ごめんね」
「お前が謝ることねぇだろ。つーか、たまに桃の話するときもあるし」
「え!うそ!嬉しい!じゃあ今度遊びに行こうかなー!」
何回かしか会ったことがないのに桃の表情はガラッと変わりすごく嬉しそうで、俺まで思わずほころんでしまった。
「あ、でもひーくんに会いに行くわけじゃないからね!これっぽっちもひーくん要素は入ってないから!」
「さすがにそこまで言われると悲しいな」
「残念でした!あたしのお目当てはおばあちゃんだけでーす!」
「とか言いつつ、隙を狙って俺に会いに来たいんじゃないの?」
「……ちっ、違う!そういうひーくんの自信満々なところほんとムカつく!」
ムカつくとか言ってくるくせに耳は真っ赤で照れまくってる。
図星なのか反応してそうなっただけなのかは分からないけど、
ちょっとは桃の中に「俺の存在」があるのを知ることができて………なぜか嬉しかった。
〜 陽 side end 〜