モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「……なんで……なんでそういうこと言うの?あたし本当に陽のこと好きだよ?」
「じゃあ俺のどこが好きか言ってみろよ」
言葉に詰まる絢を見て、もっと早く気づかせてやればよかったと後悔が生まれる。
「ほら、言えねぇだろ?おまえは同じ境遇の俺になら同情してもらえるからそばにいてほしいだけなんだよ」
「そ、そんなこと……」
「俺とおまえじゃ一緒にいても成長できない。それは絢も今なら感じてるだろ?傷の舐め合いしかできねぇよ」
「そんなことない……好きだよ!ちゃんと好きだよ!あたしには、陽がいないと……」
絢が言葉を続けようとしたとき、眉毛にピアスをつけてる男が絢の腕を掴んで自分の方へ引き寄せた。
「なっ……なに⁈」
「俺がその寂しさ埋めてやるから。もう2度と絢がひとりぼっちになって泣かなくて済むように俺がずっとそばにいるよ」
突然の眉ピ男の告白に、顔全体を真っ赤にする絢。
掴まれる腕を振りほどこうとはせず、ただお互いがお互いを真っ直ぐと見つめていた。
気づいてないだけで、案外近くに1番の理解者がいるのかもしれない。