モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
その後すぐに向かった先は保健室。
けど、時すでに遅しで、桃も英二もいなかった。
2人に電話をしてもどちらも出ない。
気づいたときには体が勝手に動いていて、無我夢中で走っていた。
こんなに誰かを思って、誰かのために走るのは初めてだ。
誰か1人を愛して生きていくなんて俺にはできないと思っていたけど、そんな俺を桃が変えてくれた。
……でも、さっきのできっと幻滅したよなぁ。
途中バスに乗り、桃の家へ着くまでの時間ただただ早く着いてくれと願った。
今は桃のことしか考えられない。
付き合ってからたった数ヶ月しか経ってないのに、いつの間にかこんなに桃のことを好きになっていた。
そんな自分が……不思議と嫌じゃないのは、こんな俺にも人間味が出てきたからなのだろうか。
〜陽 side end〜