モテすぎる先輩の溺甘♡注意報

隙を見せちゃいけないよ





ひーくんに家まで送ってもらってる途中。



昔は相合傘をしたくてわざと傘を忘れたこともあったけど、今はこの近距離が嬉しくも悲しくもある。



……だって、見ちゃった。



改札まで可愛い女の子と歩いてきたひーくんを。



私服を着た女の子は明らかに年上で、すれ違うとき顔を見ることはできなかったけど、サラサラの髪の毛は確認できた。



あたしにあそこまでの女子力はない……。



そんなことより、今朝のバスで振られたからそんなことは問題じゃないんですけどねー。



初恋の人は叶わない、って本当だったんだ。



甘酸っぱい思い出って言うもん。



次恋をするなら、ひーくんのようなチャラチャラじゃない一途な人がいいなあ。



……ひーくんにはこれっぽっちも未練はない。

ないよ。ないんだけど……。



気になるもんは気になる。




「さっき改札まで一緒にいた人ってさ……」


「ん?あぁ、あの大学生?」




やっぱり、大学生なんだ。

どうりで大人っぽく見えたわけだ。





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