モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
ちょっと離れたところに古びたベンチがあり、あたしたちはそこに座った。
5月になり夜も暖かく過ごしやすい。
今日は涼しい風が吹いていて………だいぶ気分も楽になって来た。
そういえば、なんでこんな今日不調なんだろ……。
カラオケもよく行くし、男の子と遊ぶことだってあるし、別に風邪引いてるわけでもないのに……。
「気分どう?大丈夫?」
「外出たらだいぶ良くなったよ。ありがとう」
「そっかそっか。でも顔色も良くなってきたからよかった」
かっくんに顔を覗き込まれて、自然と目が合った。
男友達と話しててもドキッとすることはないけど、かっくんとはさっき初めて会ったからこうやって近くにいるだけでドキッとしてしまう。
でも……このドキッはひーくんといる時に感じるものとは違う。
異性として感じるだけのもの。
なんとなくだけど、分かる。
思わずため息が出てしまう。
こうやって他の男の子といても、ひーくんのことを結局は考えてしまう自分がいる。
どうせあっちは、あたしのことなんか1ミリも思い出さずに可愛い女の子とまたいかがわしいことをして楽しんでるんだろうけど。