モテすぎる先輩の溺甘♡注意報


さっきチラッと見たとき、先輩たちはみんな制服を着崩して身につけていた時計やピアスが太陽の光に反射して輝いていたため……あたしはそれ以上見ちゃダメだと判断しなるべく見ないように歩いた。


……それなのに、

懐かしい香りがした気がして、あたしは思わず足を止めた。



嗅いだことのある香り。

甘い……懐かしい香り。



覚えている……この甘い香りをまとった人を。

今でも覚えている。



足を止めたその場所で、視線を横へと移した。




「ひーくん……」




そこには………記憶の奥に眠っているはずの、初恋の人がいた。

< 7 / 413 >

この作品をシェア

pagetop