モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
……そして案の定、あたしはゴールまであと数メートルのところで派手に転んだ。
手ぬぐいで合体されてたはずの葉月も転んだあたしにつられてコケた。
でも手を着いた程度で怪我はなく、あたしは膝を思いっきり地面に擦ったから血だらけになった。
あれだけ順位にこだわってた葉月はあたしのせいでビリになったにも関わらず、思いの外怒ってなくて、むしろ保健室にまでついてきてくれた。
「あら、転んじゃったの?」
保健室の先生は優しく迎えてくれ、葉月には悪いから先に戻っててもらった。
初めて保健室に入ったけど……先生若いなぁ。
てか、綺麗だなぁ。
黒く胸の辺りまである髪は太陽の光に当たってツヤツヤしてしているのが分かる。
顔は小さく、つり目だからか少し強めにも見える。
でも、手当ても話し方もとても優しくて、これがギャップ萌えってやつだなって思った。
「あら、包帯ないわ。ちょっと取ってくるから待っててね?」
「はーい」