モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「ねえ、具合悪いのって嘘でしょ。またあたしのことからかってる?」
「全部が嘘じゃねぇよ。だるいのはほんと。桃のことからかったことなんかあったっけ?」
「あるよ!てか、いつも!面白がってちょっかい出してくるじゃん!」
あたしの腕を掴んだひーくんの腕が少し冷たいから、熱はないなと確信した。
それに首にはキレイな形のキスマークがくっきりと2つあって、そのおかげでさっきまでここで誰とどんなことをしてたのか想像できちゃった。
窓から顔を出したお友達も、あたしをからかってわざとひーくんを心配するように曖昧な言い方をしたに違いない。
あたしは先輩2人に遊ばれたわけだ。
「素直に心配して来てくれたことが嬉しかったんだよ」
「じゃあ、何でこうやって引き止めるの?あたしは付き合ってない人と密着するような簡単な女じゃないっ」
「桃が可愛いから」
「まっ、またそうやって思ってもないこと言って最低!誰にでも言ってるの知ってるからねーだ。何回もその手には引っかからないもん」
もう嫌気が差し、膝の痛みを我慢して自力でひーくんの腕を振りほどき、ベッドから降りた。