モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
そのソワソワの原因をすぐ知ることになった。
1階の渡り廊下には壁がなく柱が両端と真ん中にあってそれが左右にあるから計6本の柱がある。
中庭に顔を向けて真ん中の柱に隠れるように元希と男の子2人がそこにいた。
「何してんの?」
「うぉっ。なんだよ、ももたろーか。今太陽(たいよう)が修羅場ってんだよ。だから静かにな」
太陽という名前に一瞬「誰?」と思ったけど、中庭に目を移すとそこには以前みんなで教室まで見に行ったイケメンくんがいた。
けど、中庭には太陽くんだけじゃなくて、太陽から1メートル程離れた右斜め前に女の子が立っていて、その隣にはひーくんといつも一緒にいる友達もいた。
女の子は泣いてて、ひーくんの友達の腕を掴んでもう片方の手で自分の顔を隠していた。
太陽くんは何回もペコペコと頭を下げ、表情は困惑してるようだった。
「あの先輩に猛アタックされてたんだよ。連絡先勝手に交換されたりバイト待ち伏せされたり、一歩間違えりゃストーカー並みに」
何も聞いてないのに元希は親切に今の状況に陥った過程を話してくれた。