モテすぎる先輩の溺甘♡注意報
「お、元希!今回は迷惑かけたなぁ。まあ大目に見てやってよ」
ひーくんの友達はきれいな白い歯が見えるくらい大きく笑って、女の先輩の腕を掴みながらもう片方の手で元希の髪をくしゃくしゃにした。
「いや、そんな、むしろすみませんっ。ありがとうございます!」
「おう。じゃあまたな。あ、桃ちゃんもまたね」
「えっ、あ、はい」
元希は軽く頭を下げて2人を……というよりはひーくんの友達を見送った。
突然名前を呼ばれたからびっくりした。
……そうか。
再会したあの日にひーくんに「好き」なんて言っちゃったから、きっと変な女として頭に残っちゃったんだ。
出来ればあの日に戻りたい。
戻ってひーくんに会ったら自然と挨拶だけをしてそのまま立ち去りたい。
そうしたらきっと今あるひーくんへの気持ちや悩みなんてなくて、高校生らしい楽しい新しい恋をできてたのかもしれない……。
今は21世紀なのに某アニメのネコ型ロボットは存在しないしタイムマシンもない。
誰か早急に開発して……と願った。