モテすぎる先輩の溺甘♡注意報




元希はあたしから離れひーくんたちに挨拶したあと、太陽くんを連れて少し離れた場所へ行ってしまった。



状況を掴めずその場に立ち尽くしたままのあたしはふとひーくんに視線を向けると、なぜか不機嫌そうなひーくんがそこにはいた。



何か怒ってる?

さっきまでそんな感じまったくなかったのに?



いや、あたしに会ってからだ。

そうか。あたしには会いたくなかったってことか。

不機嫌になるほど会いたくなかったってことね。



自分から突き放したくせに、そう思われてると思うと胸が痛くて張り裂けそうになった。



こうして目が合うだけでドキドキしてしまう。

言葉を交わさなくても、ひーくんと同じ空間にいるだけでこんなにも支配されている。



あたし……やっぱりどうかしてる。



まだこんなにもひーくんを想ってる。




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