俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
そして、二人のデートは実行された。


慶太は、1年間通って習得した、学校の近辺を案内しながら、バイト先のサーフショップ周辺まで足をのばしては、
琴乃の笑い顔や、関心した顔をみて満足気だった。

もちろん、琴乃は楽しかった。

デートと言う響きも久ぶりだったし、
慶太のそばは、緊張することもなく楽で、新鮮だった。


そして、駿祐も昔、同じ様に、こうして、この道を…この店を…と、想像してみてはワクワクしていた。



「楽しい?」

「うん!ありがとね。」

「じゃあ、次はぁ〜、」

「アレは、なぁに?」

「あ〜、水族館。」

「あ、アレかぁ!あたし、ここの入ったことないんだよねぇ。」

「地元にデカイのあるからなぁ。」

「そっちなら、もちろん行ったことあるけどさ。」

「…行ってみる?二人の初デートで初体験ってことで!」

「誤解されるような言い方、やめてよね!」

「早く行こ!どうせなら、ショーとか観たほうがイイじゃん!」


そう言って、琴乃の手をとり走りだす慶太につられ、
自然に走りだしている自分が
高校生にでも戻ったような気分になれた。


その日の最終のショー間に合った二人は、
走った余韻と、そのタイミングの良さに、
少しだけテンションが上がっていた。


その場は、大いに盛り上がっていたが、
実際にはカップルでは無いので、ベタベタすることは、もちろん無かった。

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