俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「それなら、俺だって中学生には見えないだろ?」

「…そうだね。背も伸びたよねぇ。」

琴乃は自分の背の高さと比較してみせた。

「なにそれ、琴乃さん基準?」

「駿とどっちが高い?」

「まだあっち。でも俺、今、伸び盛りだから。」

「青春だね〜。」

「女の子は背の高い男が好きなんでしょ?」

「あ〜よく言うね。結局、背中が大きく見えて、頼りがいありそうに映るんじゃない。」

「だからスイマーは夏モテるんだ?」

「えへ。夏限定なの?」

「一般イメージ。…琴乃さんは背が低いから、あんまりノッポだとキスする時、やっぱ大変なの?」

「…バカじゃないの!」

「俺も今、その相手の顔が浮かんで、言わなきゃよかったって思った。身内ネタは止めよ!キモイや。」

琴乃の顔は、微妙に赤く染まっていた。

「ったく。格好だけは女子大生で、実はお子ちゃまなんだぁ。それ、ギャップ狙いじゃねーよなぁ?」


慶太の振る舞いは、
その場の空気を上手く操ってコロがす。


それは、嫌味やイヤラシさを感じさせず
その歳にして、女慣れしてるというか、
逆に何も考えてないのか…

(皆にこんな調子だと、彼女は心配だろうなぁ。)


紺野とも、また違うのだが、ジャンルは一緒だろう。

気が合うのも分かるし、
なによりも、慶太は紺野のことを尊敬している。


サーフィンがやりたいと言うのも、
アメリカでやっていると言う、紺野に薦められたからに違いない。

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