俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
泣かれて、判断がにぶるとでも思ったか、
はたまた、
自分自身、その先に確実な希望が見いだせていないのか…。


判断に迷う理由を、自分のせいなどにされたくもない琴乃は、
けして、反対などしない自信があっただけに
話してもらえなかったショックは大きかった。


「あたしって、いったい何なの?」

本当なら、そう聞いても良い立場にあるのだ。


それなのに、アメリカに、
駿祐の求める何があって、
何をしに行くのかすら、一切、話してもらえていない。


「連絡先は決まりしだい教えるから」と、
とりあえず、紺野のアドレスを差し出され…
それだけだった。


「気を付けて…行ってきてね。」

琴乃はそう言って、駿祐を送り出した。



「どうして行かせたの?!」

慶太が尋ねる。

「他人が何と言おうと、自分の身体は、自分が一番よく分かってるんだよ。納得いくまでやればイイ。」

「いつ納得がつくって?」

「そんなの、まだ分からないよぉ。」

「…笑ってられるんだ?」

「色々報告してくれるし!今、紺野のパソコンだから、3人でやりとりしてるんだぁ。あんまり、個人的なメールは送れないけど、楽しいよ!」

「ま、紺野くんが居てくれるのが唯一、安心な点だけど」

「おっと、信頼されてる〜、紺野のヤツ。」

「…オレは、琴乃さんが心配だよ。」
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