俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
いつもなら、さっさと帰り、
練習日以外でも、クラブのプールまで行って、自主トレをする駿祐にとって、

学校のプールが開いたとあらば、
その無駄な時間を、省いて練習することが出来る。


そして、駿祐と同じスペースで練習することで、水泳部員にも、良い影響を与えてくれるハズと、

顧問でもある担任が、プール使用の許可を承諾。


その条件として、
プール掃除にも参加していた駿祐は、

校舎の構造上、
一つ下の階となってしまうクラスの、琴乃の存在など、知る由もなかった。


そんな、孤立していた琴乃のクラスでは、
当時、手作りのミサンガを友達同士で交換するのが流行っており、

亜希と琴乃とは、ミサンガ交換をして以来の親友だ。


ミサンガが学校にバレぬよう、皆、揃って足首に巻きつけては、靴下で隠していたのだった。


水泳部で、ひと足早く裸足になる琴乃は、
更衣室で、その友情印のミサンガを
切らずに、ほどく努力をしていたが、

集合がかかり、仕方なく、そのままプール掃除へと向うしかなかった。


プール掃除の特典は、

授業でのプール開きより
水泳部でのプール開きの方が先にあること。


しっかり掃除をした後、プールに水が張られると、
部員と顧問はもちろん、
校長先生をはじめ、
その日、勤務されていた学校関係者でプールをとり囲み、御清めを済ませた。


そして準備体操後、軽く水浴びをしてから、

部員、それぞれの特技やレベルを知るために、
皆、何本か、流しで、泳がされた。
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