俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
『だって、二人は兄弟だし!』

『関係ねーよ!』

『そうはいかないよ!ただでさえギクシャクしてるんだよ、あの二人!』

『じゃあイイじゃん!今更始まったことじゃないってことじゃん!だいたい、駿祐と別れたら、その時点で事態は同じだろ?』

『なんで?』

『はぁ?別れ話に、理由は必要ではないとでも?』

『別の理由を言うもん!』

『なんだよ!駿祐とは、もう別れる前提なワケ?慶太のことが好きなのか?』

『違うよ!!でも、どうせ今、駿と私、つきあってるって感じじゃないし…』

『ま、それも良いかもな!正直になろうぜ!俺は、いつでも琴乃ちゃんの味方だから!でも、よ〜く考えた方がいいぞ!』

『ふぇ〜ん。泣けてくるよぉ…ありがとう!』

『俺って良いヤツだろ?亜希ちゃんに“いいひと宣伝”ヨロシク!!』

『了解!』

『頑張れよ!』



そうとなったら、
紺野の実行は早かった。


アパートの契約解除を済ませると、
バタバタと荷造りを始め、
飛行機のチケットもとった。


あとは、バイトの給料日を待てば…これで準備万端。


残るは、あとひとつ。


紺野は電話を取出し、少し話すと、
ためらうコト無く、
駿祐のもとへと向かった。


誰にも悟られぬまま、
とっくの昔に、自ら身を退いた、恋敵への忠告に…。
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