俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「もしもし?」

「…俺。」

「うん。」

久しぶりに聞く声なのに、テンションは低かった。

「…元気でやってる?」

「ああ。琴は?」

「まあまあってとこ。」

「はは、紺野が帰ったろ!もう会ったか?」

「え?知らないよ…」

「マジで?…あ〜、色々と片付けが大変なのか?」

「なんで紺野は帰ってきたの?(大事な話ってこれ?で、駿はいつ戻るの?)」

「学校の契約の更新が1年ごとで…キリが良いから、もう帰って浪人生するんだと。」

「そっか〜!じゃあ、亜希とカムバックパーティー企画しないと!」

「そら喜ぶだろうな。」

「…」

「あのさぁ…俺…まだ、しっかりとしたメドはたってないんだけどさ」

「…うん。」

「でもさ、やりたいことが見つかった!」

「!…へぇ!何?!」

「スポーツ医学を学びたいんだ!」

「ん?なんか、大変そうに思うんだけど…」

「うん。将来、スポーツをしている人の身体や心をケアして、サポートする仕事をしたいんだ。できれば水泳に携わっていたくて。」

「ちょっと待って!なんか、もう引退みたいな言い方だけど?」

「…その方向もアリかもなぁ。」

「なんで!」

「もう、タイムが…自己ベストにすら届かない。」

「だって、まだ」

「自分のことは自分が一番分かる!この怪我は、将来を見つめる良い機会になったんだよ。」
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