俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「勝手になによ!」

「だって、ズバッともの言うタイプじゃないし、テキパキもしてない。」

「そんなことないよ!」

「恋愛にしたってそうだよ。もっと、言いたいこと言ったほうが良いのに。」

「はぁ?」

「彼女なんだから、もっと、わがままでいいんじゃね?…ただの彼女なんだから。」

「ただのって?」

「見守ったり、反対するのは家族の役目じゃん。アイツには親は居る。じゃあ、妻にでもなったつもりか?」

「そんなこと」

「我慢することも、ムリすることもないんだぞ!恋愛なんて、楽しくて安心できて…もちっと気楽で良いと思うんだけど。」

「…」

「ま、ふたりのことに口挟むのもなんだけど、発展途上の駿祐に今を投資して、未来があるなら見っけもんかぁ。」

「ヒドイ!なにそれ!」

「今の駿祐は自分のコトに必死で、はっきり言って、おまえのことも頭の隅に追いやってるのかもな。状況が変わったんだよ…」

「覚悟しろってこと?」

「おまえが駿祐に言ったコトなんか、気にすることないってことだ!」

「本心じゃないのに!」

「でも本当のことだろ?別れる覚悟だってできてたじゃん。」

「…」


沈黙の中、運ばれてきたアイスティーにミルクを注ぐ琴乃は、
その広がっていく白い渦を、ただ黙って見つめていた。


話が混乱しないよう、慶太の話題を避けた紺野は、

とりあえず、ゆっくりと時間をかけて、一つずつ解決していこうと、
その優先順位に気を使ったつもりだった。

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