俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
『拝啓、琴乃ちゃん。僕はまだ亜希ちゃんとの再会を果たしていません!ってことで、都合がつけば、共に戯れませんか? 紺野』


「なにコレ!人のこと何だと思ってるわけ?」


確かに、この夏、
そんな気分にはなれずにいた琴乃だったが、
ちょっとここらで気分転換にと、亜希を誘って、海へとくり出すことにした。


「なにが楽しくて紺野と一緒に海?しかも、ここ!もうちょっと代わり映えある場所が他にもあったっしょ!どうしなら、アメリカに居た時に呼んでくれって話だよ。」


久しぶりの再会にもかかわらず、相変わらず紺野に厳しい亜希は、沖縄帰りとかで、ほどよく日焼けしたボディを披露していた。


「そーゆー自分は、それなりに楽しんでんだろ?見てみ、琴乃なんか健気なもんだぜ!」

「ふたりのもめ事にあたしを巻き込まないでよ。」

「…あたしは忠告したはずだもん。寺岡なんかやめとけって!」

「亜希ちゃ〜ん。何を言い出すのかなぁ?」

紺野の気遣いも虚しく…

「あは。懐かしいね〜。中学の時だよね。バレンタインのチョコを弟が…!」

「…アレね、実は、あたしのことなの!今だから言っちゃうけど、あの時はショックでさぁ。」

「亜希…」

「意地悪とかじゃないんだよ!本当に、心配して忠告したんだからね!」

「わかってるよ〜!」

「どうだかなぁ。琴乃ちゃん騙されないで!」

「あんたはさっきからウルサイの!」

「すみませ〜ん。」

「でもさ、あの弟、可愛かったなぁ。ご馳走様でした!とか言っちゃって…」


琴乃は思わず、紺野の顔をみた。
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