俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「で、何?」

「うん。ミサンガが無かったかと思って…」

「そんなの付けて泳ぐの?」

「外さなきゃって思ってて…」

「解けたんだ?」

「そうみたい。」

駿祐は、水面を見渡しながら聞いた。

「願い事はしてた?」

「うん。まあ…」

「良かったじゃん。」

「でも、」

「あんなもん、沈まねーだろ。どっか、違うとこじゃね?ま、見つけたら拾っとくから、早く行けよ…連帯責任だろ?」

「あ、うん。ありがとう。でも、もう暗いし、明日の方が見つけ易いから…」

「わかってる。」

「うん…じゃあ、行くね。」

「おお。」

「頑張ってね。」

「ういっす。」

「ああ、探してねってことじゃないよ!」

「分かってるよ!」

「じゃあ、気を付けてね。暗いから…」

「大丈夫!」

「じゃあね!」

「じゃあな!」

いつまでも、切りが無いと感じた駿祐は、
背を向けて泳ぎだした。



次の日

上履きに履き替えた琴乃は、
足の裏に違和感を感じ、
すぐに脱いで、逆さに振ると、
昨日なくしたミサンガが、中からスルリと落ちた。


琴乃はクラスへと急ぎ、
このミサンガに纏わる話を、亜希に説明せずにはいられなかった。
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