俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
下を向いて砂をいじっている紺野の、その表情までは見えなかった。

「あの子が食べてくれたってのが、唯一の救いだったなぁ。」

「へ、へぇ〜。」

「あの子、もう今何歳かなぁ?」

「…」

紺野が答えてくれると思った琴乃だったが、

「高2。紺野が仲良いんだよ。ね!」

さっきから、ムシしてる紺野に、ムリヤリ話題を振ってみせた。


「なんだよ〜、黙ってろって言ったくせにさ!しかもその話は避けようと、シカトしてたのによぉ。」

「なんで避けるの?」

「…」

「え?ええ!!うそー!」

「…亜希ちゃん、君は、何だと思ってる?」

「紺野、あんた?」

「なワケねーじゃん。」

「だよね…じゃあ、」

「俺が余計な入れ知恵したばっかりに」

「ちょっ!」と、琴乃が慌てると、

「部活にも出ないで、サーフィンばっかしてんだよ、アイツ」

「へ?」


紺野からでた意外な話で、
琴乃に、驚きと怒りと責任が、一瞬にして押し寄せた。


「そうなの?」

「この辺はさ、夏休み中のサーフィンは、朝10時までと夕方5時からって規制があるとかで、その間はバイトがあるからって、相手してもらえないんだよぉ。ま、今度一緒に海、入るんだけどさ」

「いいなぁ!あたしもやりたいなぁ。」

「マジで?なら、俺が亜希ちゃんに付きっきりで教えるよ!」
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