俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「けっこうです!あ、弟君に教えてもらうよ!」

「あ、アイツはダメ!はじめたばっかだもん…教えらんねーよ。」

「な〜んだぁ!」

「それに、アイツ今、傷心中だから!」

「!」

琴乃はドキッとした。

そして、やはり慶太からも聞いて知っていながら、黙っていた紺野に対し、軽く苛立ちを覚えた。


「あらら。なら、お姉さんがその傷を癒してあげよっか?なんちゃって!」

「亜希ちゃんじゃダメだぁ。」

「なんで?」

「タイプじゃないもん。」

「バカだね〜。破れた恋を忘れるのに、同じタイプじゃ引きずるでしょ!若いんだから、いろんな恋しなきゃあ!」

「だってよ、琴乃ちゃん!」

「うるさい!!もう…」

自分でも驚く程の大声に

「どうしたの琴乃?」

さすがの亜希も、キョトンとしていた。

「え、あ、ごめん。」

「う、うん。あたしは大丈夫だけど…大丈夫?なんかあった?」

このタイミングを待っていたかのように、紺野が切りだした。

「あー、俺、なんか飲みもん買い行ってくるよ。」

「あそっ?じゃあ…うちらの分も、よろしく!」

「了解。でもって、ちょっと遠くまで買いに行ってこようかなぁ?」

「いってらっしゃ〜い!」


最初からこれがねらいだったのか?

さすがの紺野も、兄弟ふたりと友達では、どうしたら良いのか分からなかったのかもしれない。
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