俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
その日、海から帰る頃には、
慶太のことに、すっかり興味深々の亜希が

「今度、絶対サーフィンに付いていって、どんなヤツか調査してやる!」

と、意気込んでいたのを覚えている。


そして、それをかわきりに、
都会派だった亜希は、
見事に、サーフィンの虜になっていった。


その時は、いつも紺野とも一緒に居るようで…

紺野の受験や慶太のことは、いったいどうなったのだろうか?


「そんなの、ちょっと会っただけじゃ、どんな子かなんて分かんないっしょ!」

亜希はそう言うが、
琴乃は、水泳部の方がどうなっているのか、気が気ではなかった。


紺野にそれとなく聞いてもらったら、
“辞めるつもりらしい”と言われ、

なんとか、説得してもらうよう頼んだものの
自分達じゃ説得力に欠けるからと

「琴乃から言ってみれば?」

と、あてにならない返事が返ってくる始末。


紺野と亜希にペースを乱されていた、そんなある日…

琴乃のもとに、駿祐からのメールが届いた。


はじめは、考えない様に努力していた琴乃だが、
ここしばらく、駿祐のことは、すっかり忘れることができていた。


あの電話以来のメールに、
恐いような…
でも、何が書かれているのか、すっごく気になりながらも
やはり、悪い方ヘと考えてしまう琴乃は、

その日、1日、
読まずして、夜を越した。
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