俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
結局、あまり寝付けることができなかった琴乃は、

朝陽が昇る頃、亜希へと電話をかけていた。


駆け付けた亜希は、
テーブルの上のパソコンを手に取ると、
琴乃が居るベッドに、そっと腰掛けた。

そして、

「大丈夫!あたしがそばに居るから…」

そう言って、琴乃にパソコンを差し出しすと、

「免疫つけていかなきゃね。」

と微笑んでみせた。



琴乃は軽く頷くと静かに画面を開き、
クリックボタンを押すと同時に
一度、その目を閉じた。


そして、ゆっくりと開かれていった目蓋は、

しばらくして堅く閉ざされ、

その隙間からは、
朝陽に反射して“ひかるしずく”が流れた出した。


「…でもさ、悪いことばっかじゃないよ!」


琴乃の肩を抱きながら、言葉をかける亜希は、
その日は一日中、ずっとそばで、琴乃を慰め、つきあっていた。



『琴、やっぱり俺たち別れよう。
勝手ばっかりで悪かった。
自分のことを必要としてくれている場所に行くのも良いけど、
やっぱり一番は、
自分が好きなヤツのとこが良いと思う。
俺のことなら気にしなくてイイからな!
自分の気持ちに正直に!
幸せを祈ってます。 駿祐。』         
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