俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
水泳部を退部するつもりで、サボっていた慶太は、
国体予選に出場することなど、もちろんできなかった。
はっきり言って、慶太は
水泳部を背負って立つ様な逸材ではない。
が、
顧問をはじめ、部員の中にも
彼を必要とする者は居た。
慶太の醸し出す空気は独特だ。
ムードメーカー的存在なのは確かだが、
それ以外にも、こんなことがあった…
「ヤバい!俺、こんなにやったら、推薦組の奴らに追いついちゃって、いつか奴等に消されそうだから、このくらいにしとこっかな?」
「卒業してもソレはないから大丈夫だ。つべこべ言わずに、今の倍は行ってこい!」
「なんだこれ?シゴいて自主退させるつもりとしか思えね〜!」
でも、その段階で既に、慶太が誰よりも回数をこなしていることは、皆、知っていた。
兄に引けを取らぬよう、
推薦組の部員との差が開かぬよう、
生まれつき、負けず嫌いの慶太は、
必死に食らい付いてきている。
ソレを、そうは見せまいと努力する姿勢が、
他の部員の闘争心にも火をつけ、動かしていた。
こんなに頑張っているのに、まだ、日の目を見ない慶太だったが、
いつ目を出すか分からないと、警戒させる存在でもあったのだ。
そんな部の空気を見て、気に掛けていたコーチは、
最終手段のつもりで、
“考え直すよう説得してみてくれ!”と、
兄の駿祐に頼んできたのだった。
国体予選に出場することなど、もちろんできなかった。
はっきり言って、慶太は
水泳部を背負って立つ様な逸材ではない。
が、
顧問をはじめ、部員の中にも
彼を必要とする者は居た。
慶太の醸し出す空気は独特だ。
ムードメーカー的存在なのは確かだが、
それ以外にも、こんなことがあった…
「ヤバい!俺、こんなにやったら、推薦組の奴らに追いついちゃって、いつか奴等に消されそうだから、このくらいにしとこっかな?」
「卒業してもソレはないから大丈夫だ。つべこべ言わずに、今の倍は行ってこい!」
「なんだこれ?シゴいて自主退させるつもりとしか思えね〜!」
でも、その段階で既に、慶太が誰よりも回数をこなしていることは、皆、知っていた。
兄に引けを取らぬよう、
推薦組の部員との差が開かぬよう、
生まれつき、負けず嫌いの慶太は、
必死に食らい付いてきている。
ソレを、そうは見せまいと努力する姿勢が、
他の部員の闘争心にも火をつけ、動かしていた。
こんなに頑張っているのに、まだ、日の目を見ない慶太だったが、
いつ目を出すか分からないと、警戒させる存在でもあったのだ。
そんな部の空気を見て、気に掛けていたコーチは、
最終手段のつもりで、
“考え直すよう説得してみてくれ!”と、
兄の駿祐に頼んできたのだった。