俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「もう、何言ってんの!」

「でもさ、あたしなんかは、ケータ好きだけどなぁ。ペットぽいって言うか、ちょっかい出したくなるって言うか…からかっても上手く返してくるから面白いし、まず見てて飽きないんだよね!って言うか、目が奪われてるんだよね!」

「…」

「このあいだなんか、ケイが指さした方を、その周りに居た知らない子達が、一斉に振り向いてさ!どんだけ注目されてんだって感じでしょ?!そんなヤツがあたし達のとこに戻ってきた時の優越感たらナイね!」

「亜希?もしかして〜」

「あ、ソレはない!あたし、年下ダメだから!」

「でも、紺野よりかはさぁ」

「なんで対象が紺野?まあ、言わせてもらえれば駿祐よりは良いと思うよ。」

「え?」

「ち、違うよ!あたしの観点の話であって、琴乃とのことじゃないからね!」

「わかってるよ!そんな必死に…ならないでよ」

「なるよ!もう、ごたごたは避けたいし…あたしはさ、いつか皆が友達になれたら良いなぁって、そう思ってんだから!」

「ふふっ。そんな日が来るのかなぁ?」

「…でもケータは相当モテると思うよ。あたしもタメだったら、わかんなかったなぁ、きっと。」


亜希のその言葉に、
なぜか、心が騒つく琴乃だった。


確かに慶太には、人の目を引き付ける何かがある。


そんな人が、なぜ自分なんかを好きだなんて言ったのか……?


(慶太に目もくれず、兄の駿祐を好きだと言う私が気に入らず、試したに決まってる。)

そう思う反面、

< 142 / 238 >

この作品をシェア

pagetop