俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
次の日の夜、亜希からの電話に、琴乃は困惑していた。


「教える前に、確認しておいて良かったよ」

「ごめん。あたし、彼の話、適当に聞いてたのかも。」

「なんかね、携帯忘れてアドレスがわかないから、アタシから教えてもらっても良いか聞いたら、琴乃が了解したって…アイツも上手いなぁ。でも悪いヤツじゃないんだよ!マジで琴乃が気に入ったみたいなこと言ってたし!」

「でもあたし…」

「まあね…まだちょっと早かったかな?」

「ちがうの。」

「ちがうって何が?」

「…なんでもない!」

「何それ〜!すごい気になるんですけどぉ!」

「いいから!彼には上手く言って誤魔化して!」

「それはイイけど、…いつまでも駿祐のことばかり考えて」

「で!?そーゆー亜希は?いい人いたの?」

「聞いちゃう?最後に琴乃の前に座ってた人のこと覚えてる?あの人があの後、チョ〜笑えてさ〜!」

「そうなんだぁ」

「狙ってみようかと…」

「手応えは?」

「もちろん!夏だしね!」

「もう、半分は終わったけどね…」



数日後、
久しぶりにサーフショップに顔を出した慶太は、
自分と交替するようにバイトを始めた、紺野のそばをウロついていた。


「なに?さっきから…」

「いや〜、なんか変わったこととかあったかなぁって思って。」

「…具体的に、誰のことが知りたいの?」

「それはぁ…共通の知り合いで。」
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