俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
慶太が誰のことを聞きたいのかなんて、お見通しの紺野だった。


でも、ただ琴乃の事を報告するのもつまらないし、
かと言って、
最近は連絡をとっていなかった駿祐の、新しい情報は持ってはいなかった。


ならばと

「亜希ちゃんに新しい男ができるかも。」

わざと、遠回しに話を切り出してみたのだった。

「なにそれ?」

「身近なニュース。あれ?そーゆーことじゃなくて?」

「…」

「それ、亜希ちゃんに失礼だろぅ。あはは。」

「て言うか、いいの?それで…」

「夏だからね〜。合コンしたんだと!琴乃も誘って!」

「!それって、いつ頃の話?」

「…詳しいことは亜希ちゃんからどうぞ。」

「え、ああ…」

「ところでさ、駿祐はどうしてる?」

「んあ。なんか、インカレに向けて頑張ってんじゃね?」

「へー!」

「まあ、せっかく大学で体育会にいるんだから、そりゃ〜、」

「違うよ!おまえから駿祐の近況を聞かされるとは。」

「紺野君が聞いたんじゃん!」

「じゃあ、知りたかったのは琴乃のことだけじゃん!」

「…」

「気になるんだ?」

「…こないだ、男と歩いてるとこ見てさ…」

「あ〜、言い寄られてるって…」

そこまで言って、ふと見た慶太の表情に、紺野はため息をついた。
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