俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「応援…してくれる?」


久しぶりに、胸を突くような、
慶太のその言葉に
琴乃は、はにかみながら、ゆっくりと頷いた。


まるで、この1か月の間、
ずっと、それを待っていたかのように…



その甲斐あってか、
県大会での慶太は、
準決勝まで勝ち進むことができた。


まさに、火事場の馬鹿力
だとしても、
個人的には自己ベストを叩きだせたし、
チームのメンバーは、“上位は固い”と言われていた通り、1位2位をほぼ独占!

さすがだ!



「頑張ったね!」

「うちの部がね。」

「慶太くんだってだよ!」

「…そうっすか?」

「うん!」

「…」

「あれ?なに?どしたの?」

「じゃあ、ご褒美下さいよ。」

「ご褒美…とは?何を?」

「じゃあ〜…俺のこと、“慶太くん”以外の呼び方で呼んでみてください!」

「へ?」

「“慶太”とか、“ケイ”とか。」

「いいよぉ。そんなんで良いなら。」

「うん!」

「…ケイ…くん。」

「はい!」

「なぁにコレ?」

「これからは俺のこと、そう呼んでください!じゃないと俺、シカトしますから!」

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