俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
そして、間もなくして行われた、“インターカレッジ”。


慶太から話を聞いていた琴乃は、
心なしか気になっていた。


仮に、知らなかったとしても、
駿祐が出場すると知れば、
それは心から応援したに違いなかったのだが、

コトがコトだけに、
それを露骨に出したなら、
“いったいどっちなんだ!”と、

自分でも分からなくなりそうで…


とにかく、
結果を待つと言うことを、心に決めて、その日を迎えた。

が、

その選手の中に、駿祐の姿は無かった。


「やっぱり、膝の調子悪いのかな?」

漠然と、心配する琴乃をよそに

慶太の怒りは収まらずにいた。


「これで決着つけるって、アイツから言い出したんだ!」


駿祐と連絡がつけられず、“何か知っているか?”と尋ねられた紺野は、
慶太から事情を聞いて、
初めて、
駿祐の言った意味が分かったのだった。


「ふざけんなよ!人をその気にさせておいて、お預けか?」

「…」

「ああ!予選落ちで勝負あったってコトでイイのか!ねぇ?紺野君!」

「ごめん慶太…俺、隠してたことがあるんだ。」

「何?」


紺野から、駿祐の怪我と口止め話を聞かされた慶太は、
しばらくして、口を開いた。
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